はじめに
この本は情報管理において古典といってもよいだろう(初版 1969年)。タイトルもよい。「勉強法」や「学習」などではなく「知的生産」。そしてそれにに対して「技術」を加えたところが。つまり、「技術」ということは、教えることが可能であり、向上させる為の研究も可能だということだ。精神論ではない、具体的な方法論ということが想像できる。今となっては「タイプライター」あたりの章など、意味のないところもあるが、Evernote が流行り、Moleskine が再燃し、ライフハック(笑) に興味があるという人は読んでおいて損はないだろう。
今日の、「ノート術」「手帳術」の原点となることが書かれているといっても過言ではない。
発見の手帳
知的生産を行うにおいて、日々手帳に書くことはなんだろうか。それは、単なる実用的なメモや、日常的記録だけではなく、「気づき」や「発見」を書き留めることが重要だということだ。これは、「ユビキタスキャプチャー」や「手帳術」の本などで、必ず強調される点である。もうひとつ共通して言われることは「短期記憶のはかなさ」である。この2点をカバーする為には、やはり「忘れないうちに書き留める」という原始的な方法が今のところ有効なのである。
ノートからカードへ
ノートではなく、何故カードなのか。それは、簡単に言えば「組み換え」ができるからだという。「記録」だけのためなら、ノートによる時系列の記入があとから思い出すにしても都合がよいかもしれないが、この本は「知的生産」の為の本であるので、今まで蓄積した「気づき」「発見」は、その生産性を高める上で存分に活用されなければならない。その意味で、「カード化」し分類・統合・関連の発見などのために役立てるのである。
最も現在においては、デジタルで記録する場合「ノート≒カード」のような使い方はできるであろうから、それほど重要な情報ではないかもしれないが、「フローではなくアイテムとしてストックする」という考え方は、参考になると思う。
おわりに
あとは、目次を見てもらえばわかるように、「カード化」した情報の活用方法などである。この本を現代に活かす為のヒントとして読むなら前半部分にその思想が集約されている。ただ、この時代から「実践」を意識して書いてある内容はとても興味深いものであり、情報管理の奥深さを再認識させられる内容となっている。
目次
- 発見の手帳
- ノートからカードへ
- カードとそのつかいかた
- きりぬきと規格化
- 整理と事務
- 読書
- ペンからタイプライターへ
- 手紙
- 日記と記録
- 原稿
- 文章
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梅棹 忠夫おすすめ平均 普遍と型枠 カードは話のタネだった いまでも使えるその理由は これぞ現代人必読の知的生産術! 今でも通用する部分があります |
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