ちょっと前に「効率よく本を読んで結果を出したい人へ – suVeneのアレ 」という記事を書いた時に「続きは今度」とか書いたが、この記事はその続きではなく、「「深読み」読書術」を読んで得た、ちょっと異なる視点でのアドバイスを書こうと思う。(偉そう)
何故、「本を読む態度とコツ」を見なおさなければならないか
「効率よく本を読んで結果を出したい人へ – suVeneのアレ」にも書いたことだが、本を読む時に「背景・目的・目標」を明確にするのは大前提だ。
しかし、せっかく目的等を明確にしても、読み方を間違えてしまっては、身につく知識や教養も半減して時間も金も損してしまう。せっかく本を読むのだから、本に対してどういう態度で望むことが重要で、何に注意して読めばよいか、などを知っておくことは、とても重要だろう。
というわけで、「本を読む望ましい態度」「本の選び方」「本を読むポイント」について書く。
本をよむ望ましい態度
簡単にいえば「観察するように読む」ことだ。
本を読むときにのめり込んでしまってはいけないということを、アルトゥール・ショーペンハウアーの「読書について」を引用して述べている。
何故のめり込んではいけないのか。
それは、書物にのめり込んでしまうと、著者が言ってることを鵜呑みにしてしまったり、異なる視点で検証することがしにくくなるからだ。また、書物にのめり込んで、他人の思想に自分の思想を預けてしまい、読み終えただけで満足してしまう危険もある。
あくまでも、客観的に、心を落ち着けて(突っ込みどころが満載でも)読むことが大切だ。(追記2015/02/13: 娯楽小説というジャンルはのめり込んで愉しめばよいとおもいま)
また、「答えを求める読書」にならないように注意する。
HowTo本や LifeHack本、自己啓発やビジネス本に多い、わかりやすく、かつ即効性のある本は確かに読んだあとすぐに実践できることが多く、何かが身についた気がする。しかし、所詮は「他人が考えた」知識であって、自分が生み出した知識ではない。
そういう本の読み方を続けていると、中身がなく自分で考えることをしない薄っぺらい人間になってしまうだろう。
本の選び方
他者のレビューやランキングやベストセラーを気にして読みたい本を選ばないこと。(流行を知るための情報源としては良いかもしれないが、知識や教養を深めるための規準にはならない)
本は自分の興味、問題意識、センスで自由に選ぶものだ。いったん誰かに頼ったりしたら、今後も他人に頼らざるを得なくなるし、自分の選択眼をもてなくなる。
あとは、タイトルだけで決定せず(売れるために編集者が決めてる場合が多いので)、目次を読み、参考文献を見て興味を引く本があるかを判断して、目次の中から特に興味深い部分を数ページだけ読む。まえがき、あとがきがあれば、その本に対する著者の中心となる思いが書かれている事が多いので、必ず参考にする。
本を読むポイント
以下の3点にだけ注意する。
- その本の最も訴えたい「主張・主旨・結論」
- 「主張・主旨・結論」を導くための「根拠」
- その根拠の元となる「前提」
注意したいのは、本を読むときに傍線を引いたり印をつけたりする人は多いだろうが、その時に「自分が」気になった箇所につけないようにし、あくまで「著者が何を主張したいのか」に着目して傍線を引く。
何故なら、「批判的に本を読む」「複眼的に本を読む」事が重要だと言われることは多いが、そのためにはまず「この本(著者)は、一体何がいいたいのか?」を正確に読み取る事が重要だからだ。「本の主張」である箇所と「自分が気になった」箇所を切り分ける事ができる線の付け方ならばそれでいいと思う。
そして、その本が主張したいポイントについて、自分なりに反芻し、解釈し、”その時”の結論(仮定)を考えるという事が重要だと思う。
まとめ
つまり、読んでる本にのめり込んで他人の考えに乗っからず、すぐ手に入る答えを求めるような態度で望まず、きちんとその書籍の主張を捉え、しっかり行間を読み取り、根拠や前提を検証するために、ちきりんじゃないが「自分のアタマで考えよう」ってことだ。
こんなことは、何千年も前から言われてきて、書き記されてきて、助言されてきたことなんだが、やはりそれは重要なんだなんだなだな。
あと、簡単なわかりやすい本ばっかり手に取ってないで「古典読め」って話もちょくちょくあった。ベストセラーではなくロングセラー。
やはり読み継がれてきた、簡単には読めないが自分で咀嚼する必要がある本は、読書力が向上するってことだろう。自戒。
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効率よく本を読んで結果を出したい人へ – suVeneのアレ
「深読み」読書術: 人生の鉱脈は本の中にある (単行本) 白取 春彦 三笠書房 2015-01-23
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