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インフレターゲットってなんで必要なの?

ジェームス・スキナー氏の本を読んだ。俺は経済は素人なので、資本主義とはなにか?と聞かれても、「利益を追求する主義?」ぐらいしか答えられないのだが、この本によると、資本主義とは(ついでに社会主義も)以下のように定義されている。

資本主義とは
– 社会に余剰金が出たとき、その余剰金を会社の資本に投入し、さらに経済を豊かにしていくという主義

社会主義とは
– 社会に余剰金が出たとき、それを社会保障にまわすという思想

略奪大国~あなたの貯金が盗まれている!~ P27

なるほど、たしかに経済素人にはわかりやすい定義だ。
資本を増やすことでレバレッジをきかせ、さらに経済を発展させていく主義。
資本主義発展の歴史はともかく、「資本主義とは」と聞かれた時に簡潔に答えるには、これでよかろう、という気がする。

ジェームス・スキナー フォレスト出版 2011-12-21
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次に中央銀行の役割として「マネーサプライ」という考え方を説明している。つまり、世の中のお金の流通量。それを利用(調整)して、インフレ・デフレを 0% ベースに調整するのが、中央銀行の責務だという。

まぁ、そもそも今の金利はもうほとんど下げようがないわけで、それでインフレに向かわせることができるのかも謎なのだが、個人的には中央銀行の方針への疑問として「インフレターゲット」ってのがある。単純に言えば、年間の物価を少しずつ上昇させることを目標としますよ的なことだと認識しているんだが、これって何故有用なのだろう?

デフレ・スパイラルが、”国として”よくない状態であることは理解できる。ただ、インフレって”国民として”かなり最悪な状態じゃないのだろうか。例えば、100万円の貯金の価値が、年間1%のインフレだとして、10年後には 90万円前後の価値しかなくなっているということだ。(そりゃ、物価も 1% 増加しているし、それにともなって家計の収入も増えるのだけれど、税金は増えるし)

まったく損している気がするのはおれだけなのだろうか。国内だけみているから損している気分になるのだろうか?例えば海外との比較においては、通貨価値が下がるので、巡り巡って得することになるのだろうか。池上さんみたく誰かわかりやすく解説してほしい!

それはともかくとして、この本の趣旨は、「政府は国民の資産を略奪しているのだ!」に尽きる。

何故そう言えるのか?

それは、「創造していない価値は消費することはできない」という原理から始まる。

政府は価値を創造しておらず、実体経済からかすめ取るしかない。そのかすめ取る方法とは、さまざまな税金であり、生活保護などを含む社会保障であり、国債であり、インフレであるという。価値を創造せずに、次の投資を募って、前の投資家に払うということ。それはつまり「ねずみ講」であるという。

政府からお金をもらうことは、隣の人からそのお金を奪う行為なのです。
略奪大国~あなたの貯金が盗まれている!~ P57

19世紀フランスの政治経済学者フレデリック・バチスエの例えである「二つの手を持つ怪物」というものがある。一つの手は与え、一つの手は奪うのだ。しかし、我々日本人は「お上」に対して、「与え」てもらうことばかりを要求する。少なければ不平不満をいう。その「与え」られている源泉が「奪われ」たものとは意識せずに。

そういえば、赤字国債にしてもよくわからないところがある。そもそも、通常国債は赤字はダメなわけで、特別な審議をした上で特別な用途に限り赤字国債が発行できるわけだが、もう「特別」なんてものはなくなっていて、今は通常の状態になっている。(アメリカとかでもたまに債務の上限引き上げ審議がギリギリみたいなことをやっているが)

個人的な感覚から言えば、「やはり、企業の借金と違って、国が返す当てもなく借金してたらだめじゃね?」くらいに感じるのだが、大々的に主張できるほどの論理がない。(もちろん個人的に)

日本の国債については、様々な意見がある。一方では国債はもう数年ともたず破綻するという。一方では、国債の保持はギリシアなどと違い、国内保有がほとんどなので他国と違うという。どちらが正しいのかわからない。というより、対案がないので、あまり声を大にして発言できない。そもそも日本は長期的にどのような展望にあるのだろうか。

しかし、この本では明らかに国の借金は「悪」であり、哲学的にも、論理的にも破綻しているという。ケインズが発明した麻薬のようなもので、一旦手を出すとやめられなくなる。そして国民は見せかけのGDP増加で、「政府のおかげだ」という妄想がうまれるという。

うーん。

とりあえず、生半可な知識じゃたちうちできないことは理解できた。この本を読むことでどういうことが論点(かもしれない)というところが見えてくるかもしれない。

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コメント

  1. suVene より:

    主張したいことは「わかったような気になる」けれど、賛成も反対もできないほどの知識しかないのがくやしい。 / “インフレターゲットってなんで必要なの? – suVeneのアレ” http://t.co/vR0ENSAw

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