[SBM]お気に入り機能に関する可能性 - suVeneのアレ

[SBM]お気に入り機能に関する可能性

はてブ衆愚論が一時期盛り上ったが、それについての自分なりの解のようなものを。

そもそも、自分が面白いと感じる記事と、自分以外の集団が面白いと感じる記事に誤差があるのは当然の事だ。

結局ユーザー参加型コンテンツがたどり着くところはココなのか?
fladdict.net blog: はてぶがドンドン馬鹿になっていく

この記事がいっているように、単純に不特定多数の意見を集計しただけだとココが限界。はてなの「人気エントリー」は、まさにこの「限界」を表現している訳で、個人のニーズとずれが出てきて「人気エントリはつまらない」と判断されてしまう。

では、最初は楽しいと感じたのは何故か?

それは、似たような嗜好や感性をもつユーザーが集まっていた可能性が高いからだと判断する。
どういう事かというと、「SBM サービス」としては delicious が大規模化した走りで、日本では Hatena が先駆者だと思うのだが、最初にそのようなサービスを面白がって使うユーザーは「ギーク」(簡単に言えば、パソコンオタクや技術屋。新しい物好きの人も多少含む)と呼ばれる人々が大半を占めるという事だ。似たような嗜好性を持つのだから、そのユーザーに人気の記事は当然共有される価値観を持つユーザーにも楽しめたという事だろう。そして、現在でも技術色やギーク色が強い SBM だが、サービスが一般化するにつれ、「面白い」と判断される記事は多様化されたという事である。
言わば衆愚化したのではなく、多様化してきたのである。

これまでの「サイト管理人」が参加する形のランキングは「カテゴリーされたランキング」という方法で、情報や価値観を収束する形式をとってきた訳だが、SBM では「サイトの読者」が独自に分類するタギング方式なので、情報や価値観がなかなか収束しにくい。
web2.0 の一つの条件である集合知というのは、Wikipedia や、ある一つモノに対する情報の精度を高めると言う意味ではとても有意義だが、個人の価値観とかけ離れていくのはしょうがいないというか、当たり前の事である。

前置きが長くなったが、結論から言えばこれは「母集団」を選択する機能が実装されれば、大半は解決される問題であると思われる。
簡単に言えば、「はてブが衆愚でなかったと感じる状態を自分で作り出す」という事だ。(あえて衆愚と言う単語を使う)
Zer0Readerを作って感じたことだが、「自分が面白いと思う記事をよくブックマークしている」ユーザーを数人お気に入りにいれ、そのユーザーが複数人ブックしている記事というのは、かなりの確率で面白いと感じる。はてブコメントによるコミュニケートできる部分も楽しいと感じるが、お気に入り機能に関する可能性を感じたのはここからである。

他の方法論として、Livedoor や、newsing(ニューシング)のように、個々の記事に対する個人の評価をサーバー側で保持し、プログラム的にパーソナライズ(個人の趣味に合わせて、お勧め機能やカスタマイズする機能)を作る事も可能なのだが、お気に入り機能の可能性が面白いと感じるのは、「人の手でブックマークを行う」というアナログな部分で、そのお気に入りのブックマーカーと自分との価値観のブレが新たなる発見へと繋がるからだ。これは、機械的なパーソナライズではなかなか再現しにくい機能である。

「はてブ」に見るソーシャルブックマークの限界
… 中略 …
結局のところ、はてなブックマークが持っていた価値というのは、「ネット業界の狭い世界の中の人たちがブックマークしていた」ということだったように思える。つまりは一般のネットユーザーとは異なる狭いコミュニティーの中から集合知を生み出していたわけで、だからこそ一般のニュースサイトは異なる貴重なブックマークを抽出できたのだ。だから、はてなブックマークのユーザーが増えて母集団が増えて大衆化していくと、一般ニュースサイトと同じようなブックマークが抽出されるようになるのは、当然の帰結である。言い換えれば、はてなブックマークがロングテールからショートヘッドへと転換してしまったということなのだ。
ITmedia アンカーデスク:検索エンジンが「ユーザーのその日の気分」を知る方法(中) (1/2)

この記事がいうように、SBMが、単なるブックマーカーの抽出のサマリーである「人気エントリー」しか利用価値がないと考えるとすれば、先ほども述べたようにそれが限界だろう。
この記事は解決策として、新たなる価値観を持つユーザーを集めたコミュニティである newsing を取りあげているが、それでは先ほど ギークと呼んだ人々が、単に他の価値観を持つ人間を最初に集めたというだけで、何ら解決策にはなっていないと思う。母数が増えれば結局「衆愚化」するという事だ。(引用元の記事でもその問題は認識されているようだ)
その次に、「mixiのコミュニティ」を挙げているが、これは別の話である。
確かに、mixiのコミュニティはある種小さな集りを繋いで大きな集合となっている訳だが(ニュートラルネットワークのような)、SBM とは根本的に情報へのアプローチが異なる。

しかし、ヒントはあるわけでそれが「アナログなネットワークを繋げる≒お気に入り機能の強化」だという一つの解だという事だ。

個人的に考える解には、現在のお気に入り機能には足りない部分がいくつかあるのだが、それはまた今度の機会にでも。

fladdict.net blog: はてぶがドンドン馬鹿になっていく
ITmedia アンカーデスク:検索エンジンが「ユーザーのその日の気分」を知る方法(中) (1/2)
newsing(ニューシング) – ソーシャルニュースサイト
追加:
[鏡] しっぽのさきっちょ 2006年10月 — Spiegel’s Trunk

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