はてブのほっとエントリーについて(パーソナライズする為に必要なもの) - suVeneのアレ

はてブのほっとエントリーについて(パーソナライズする為に必要なもの)

最近のはてブ界での話題として、ソーシャルブックマークの衆愚化について議論されていたりされてなかったりする。
その中で面白い記事を見つけた。

FIFTH EDITION: はてなブックマークって売りのない株式市場じゃね?

これは、ほっとエントリーを経済に、ブックマーク数を株価の価格に見立てて、現在のほっとエントリーに対する足りない部分の分析を行っている。
前提としては以下のようになる。

まず、株式市場の話になるんだけど、株式市場で銘柄を判断する方法には、単純化すると二つしかない。
クォリティトレードとポピュラリティトレードね。
・・・ 略 ・・・
クォリティトレードとは、株本来の価値を見抜いて投資する人で市場の価格形成を安定化させる作用を及ぼす。
一方で、ポピュラリティトレードとは、いわゆるケインズの美人投票。株ってのは、他の誰かが買わない限りは、価格が上がらない。だから、誰が何を次に買うかを当てるトレード手法ね。単に、株の上げ下げに連動するデイトレーダーとかもいるけど。彼らは、市場に流動性を与え、価格形成をスムーズにする作用を及ぼす。
FIFTH EDITION: はてなブックマークって売りのない株式市場じゃね?

で、この前提を元に次の前提へと続く。

1 個別銘柄、もしくは市場全体などが、非常に割安だとクォリティトレーダーが気付くと
2 株の価格が上がり始め、ポピュラリティトレーダーがそれに便乗して買いをいれては儲ける
3 すぐに、価格が適正価格まであがる
4 ただし、ポピュラリティトレーダーは、クォリティでなく、人気、トレンドの後追いをするので、価格は、割高になる
5 クォリティトレーダーは、株が割高になった時点で、株を売り払う。
6 クォリティトレーダーの売りをうけて株価が下がり始める。そうするとポピュラリティトレーダーの後追い売りで、株価が下がる。
7 適正価格で止まればいいが、止まらない場合、1に戻って、同じプロセスが繰り返されることになる。
FIFTH EDITION: はてなブックマークって売りのない株式市場じゃね?

まぁ、上記までの話は経済に関する話なので、大体のニュアンスで捉えればよいんだけれども、重要なポイントはただ一つ。

価格(ブックマーク数)が上がりすぎた場合に、是正する処置がないと言う事。

って、このままでは引用記事が言ってる事を繰り返し述べただけなので、もう少し補足する。
web2.0 についての条件を全て規定するつもりはないし、web2.0でなければならないと言うつもりもないが、最近のウェブサービスの傾向としてパーソナライズがある。これは、個人個人の嗜好に合わせて、表示方法・表示情報を(サービス側で)自動で変更・カスタマイズするって事。強制されれば検閲や誘導にもなりえるのだが、使い勝手と深い関連があり重要視されていると思う。グーグルのパーソナライズド検索・広告表示にしてもそうだし、Amazonのお勧め機能にしても然りだ。

では、パーソナライズする為に必要な条件は何か。
それは、対象に対する個人の評価である。
これを共有された評価と混同してはいけない。

引用元の意見では

いったん、popularityブックマークが起こりはじめたら、ほとんど、止めようが無い。本来の価値を超えてブックマークされても、それを止める装置がない。
株式市場のような「売り」がないからだ。
そういう意味で、トレードに「売り」と「買い」の二つがあるように、はてBには、「ブクマ」と「dis(例えば、ね)」が必要なのかもしれない。
どういうことかというと、「エントリの価値を超えてブクマされている」と感じたら、qualityブックマーカーが「評価されすぎ」「ホッテントリの順位下げなはれ」という形で機能する装置があると、上手くホッテントリが機能するんじゃないかと思われ。
FIFTH EDITION: はてなブックマークって売りのない株式市場じゃね?

とあるが、これは共有の評価に対する是正であり、大いに意味はある。
しかし、それだけでは足りない。
この機能が追加されたとしても、それは「グーグルのページランク」や「amazonの平均した★の数」に相当するものであり、謂わばベースとなる情報が整った(市場となりうる)と言う事に過ぎないからだ。

確かにこれだけでも有意義な情報が拾える確立は上がるだろうけども、フロー型であるホットエントリーは適正な価格がつくまで待つような形態ではないので十分とは言えない。
ここからもう一歩進むためには、ベース情報から嗜好にあう情報を抽出する確立高める手段を増やす為に「個人の評価」をつけれる手段を提供すると言う事だ。
要するに、個人が得たい情報というのは「全体としてのほっとエントリー」ではなく「特定の範囲のほっとエントリー」だということである。

上記を満たす手段として、「お気に入りユーザー」が考えられるが個人の評価をストックしていない事により、自分自身が興味を持つ記事を多くブックマークしているユーザーを自分の手で探しださなくてはならない。(探し出すのを楽しむともいえるが、それは今は考慮しない)
Hatena外部のサービスとして、はてブお気に入りサジェスタdaily gimite – 勝手にパーソナライズされる「はてなブックマーク お気に入り」もどきなども存在するが、どちらも自動化という意味と外部サービスという意味で完成度が高いとは言えない。(いや、面白いんだけれども)

結論として、情報収集コストを下げる為には(パーソナライズする為には)

・ (適切な評価へ収束しようとする)共有された評価 ・・・ 引用元の言葉で言うと「売り」「Dis」
・ 個人の評価のストック
・ 嗜好に合わせたフィルタリングされたビューの提供

が必要って事だ。
自動で提供までいかなくとも簡易な手段があればよいと思うが。

まぁ、ハテナは全てを自動化するというより、ユーザに遊ばせる(努力して面白い方法を模索してもらう)事が好きそうなので、ここまで自動化して味気ない事はしないだろうけれども、利用者が増えれば増えるほど自動化する事、又は必要な情報を取得する為に必要なコストを下げる要望は出てくるだろうから、いかにヘビーユーザーの遊び場を残しつつ、ライトユーザーの為の機能を盛り込むのかというのは、今後も期待が大きいところではある。

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