では、ネットにおける危機管理意識とは何か - suVeneのアレ

では、ネットにおける危機管理意識とは何か

ネットにおける危機管理の話。

* mixi についての警告
mixi も上場企業となり、バブル的に株価が上がっていて話題になっているところでこんな話題があった。

mixiをやってて思うことだが、みんな危機管理能力がなさすぎだろうと思う。何かといえば、個人情報の問題だ。
タルタルソースも空を飛ぶ:危険だとなぜわからない – livedoor Blog(ブログ)

個人情報の管理に関して管理能力の甘さを問うているようだ。
では危機管理能力とはなんだろうか?どこまでの情報を公開し、または秘匿すればよいのだろうか?

俺のmixiをみてわかるのはせいぜい大学ぐらいで個人を特定されるまでの情報を垂れ流そうとは思わない
… 中略 …
これはひどいと思うのが、出身幼稚園や小学校などを晒したり、住所をほとんど公開してたり…お前らバカだろといいたくなる。
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こんな感じで、前半は mixi に関して警告を発している。
『あと自分が晒さなければ大丈夫と考えてる人もあまい。』とまで言っていて幼稚園や小学校はダメで、「大学ぐらい」ならよいという基準がよくわからないが。

後半は『mixi に晒す事と blog に晒す事に違いはない』という話になっている。
確かに、招待制といえども既に誰でも情報が閲覧できる場所になっている。

ただの疑いすぎ、とか心配性とか思われるだろうが、出来る限りのことはしとくべきだろう。何か起こってから対策を練るのが日本人。起こる前に防ぐことを考えないのも日本人。常に最悪の事態を考えておくべきだろう
タルタルソースも空を飛ぶ:危険だとなぜわからない – livedoor Blog(ブログ)

と締めくくられているのだが、結局どんな対策があって、何を考えるべきかが全然わからない。

* 危ないのは mixi だけか?
「個人情報」に限定して考えると、何も mixi だけが危ない訳ではない。
例えば、実名でネット上で活躍している人はどうだろうか。
プロフィールで経歴を公開し実生活の仕事などに活かしている人や、セミナーや合宿を開いている人は mixi なんかよりも全然個人情報が垂れ流しだ。
または、オフ会によく参加する人はどうだろう。
「(ネット上)で長く付き合った人しか会わないから平気だ」といえるだろうか。本当に何か悪巧みを考え陥れようとしているのなら、それくらいの信用を得るのは簡単ではなかろうか。「同じ趣味の持ち主」だからといって、悪い人とは思えないという事はないだろうか。
このような人々についても、危機管理ができているのか疑問の残るところである。

結局 mixi は、話題になっていて母体も大きいので目に付きやすいだけで、そこらじゅうにリスクは転がっている。

* 何が危険なのか
ネットだけに限定して例をあげたが、実名やプロフィールという話なら書籍を出版している人や、サークルで活動する人、メディアに出る人なんかは、全く垂れ流しの位置にいる。

しかし、それらの例とインターネットとは決定的に違うモノがある。

それは、インターネット という世界が情報伝達の速度がほぼ 0 に収束される事と、膨大な情報からの検索能力と整理能力の高さ、かつ永続的に保持される事だ。
今までは個人情報を得ようとすれば、興信所に依頼するとか、自ら足を運んで苦労しなければ手に入らなかったし、そもそも“ターゲットを探し出す事”に多大な労力が必要だっただろう。人の噂も七十五日というように、口コミだけなら忘れ去られる事だったはずが、ネット上に公開している事により多数の目に触れやすい状態で保持されている可能性もある。

では、ネットの中で 招待制サイトのSNS と blogなどのパブリックなものの違いはなんだろう?
何故 mixi だけが着目されやすいのか。

それは、個人の趣味趣向だけではなく、同じ趣味を持った繋がり を用意に取得できる事が重要(逆に言えばリスク)だと考える。

ブログやネット上での活動を実名で行っている人や、オフ会に参加する人の“個人情報”はたやすく手に入るが、「その関連を辿ろう」と思えばリアルの世界で調べる必要性がでてくる可能性が高いだろう。よほど詳細なオフレポが書かれていたとしても、その紹介されている人物は、そのレポートを書いた人物による評価でしかない訳だから。

しかし、mixi を筆頭に SNS的なサービスならば、一人の人物が何らかの目的でターゲットにされた場合(ストーカーや悪徳商法等)、ストーカーならばその本人の周りから接近したり、運良く仲間に溶け込めれば、その本人の、より詳細な情報を仕入れる事はたやすい。悪徳商法にしても、同じ興味を持つ人間を探し出し、失敗しても次のターゲットへ移動しやすいし、逆に成功した場合など、多大な信頼を受け、次の獲物に進んで紹介してくれる可能性すらある。

例をあげようと思えばいくらでもあげられるが、リスクは個人情報ではなくその関連にある場合が多い。

引用元のサイトの「大学まで」という話も、「個人情報」だけに着目すれば、そんなにありがたい事はない。
おおよその年齢の推測と、文体からの性別の推測、住んでいる地域の推測ができる訳だから、それだけでターゲットにされる事もあるだろう。
さすがに、リアル個人と紐付けるまでは簡単にはできない可能性が高いが、mixi をやっている事がわかっているのであれば、普通にちかづいて信頼を得ればよいだけの話だ。

しかし、重要な事は先ほども述べたが

もっともそのせいで古い友人は俺がmixiをやっていることを知らない人が多い。
タルタルソースも空を飛ぶ:危険だとなぜわからない – livedoor Blog(ブログ)

ここに大きな意味があると思われる。関連を簡単に検索できるような状態に置いていないという事だから。

* どんな対策が必要か
ここまでくれば、言いたい事は大筋で述べているのだが、纏めると
「個人情報が特定できるソース」と「個人とその関連する他人や団体への情報」を結びつける情報を不用意に公開しない
ってな事が必要になるんじゃないかという結論になる。

日に数万アクセスを誇るサイトで 個人の趣味や住所や日々の事などを晒しているサイトで、全然リンクもなければ繋がりも見えないより、趣味嗜好、住んでいる大まかな地域 がわかる状態で、たくさんの繋がりが見える状態のほうがリスクが高く感じる。(私怨や個人を狙った犯罪には当てはまらないのだが)

趣味嗜好を語りあったり、馴れ合ったりするのは大いに結構だが、それならばリアルの情報とリンクしないようにするほうが良いと思うし、リアルの友人と楽しみたいのならば、認証付きのサイトや、レンタルの SNS サービスなどがあるのだから、今のところはそちらでするべきだと思われる。

警告を鳴らし、周りに訴えるだけで意味が出てくるのかもしれないが、「バカ」「出来る限りのことはしとくべき」「最悪の事態を想定しておけ」だけを言っていても、あんまり意味ないんじゃないかと思った記事だった。現に反応も「mixi はバカが多い」「みんな異様に無防備すぎる」「mixi怖い」みたいな感じが多く見受けられるし。

SNS だけではなく、今後リアルとネットの融合がどのような形で進んでいくべきなのか自分自身が考え直すキッカケになったので感謝している。

* 関連記事
suVeneのあれ: それは mixi だけの問題か?

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コメント

  1. 小樽 より:

     俺の場合、大学名も一応晒してはいません。ただわからないこともないってだけです。ただ、これも危険なことにはかわりはありません。
     小学校とかが危険だと思うのは、公立の小学校などは自分の家から近いこともあり、住所を完全にとは言いませんが、すんでる区域の特定ぐらいは容易にできると考えていたからです。

     あの記事は警告メインで、被害実態や対策を考えてないのは事実です。その点はいわれてから気づいたのもありますし、後々書いてみようとも思ってます。
     ただその警告に耳を傾けて、suVeneさんのように考えてくれる人が増えればなと思います。

  2. suVene より:

    リアルとネットとはどう紐付けを持っていくべきなのか難しいですね。
    らヴさんの言うように、子供の写真を載せて住んでいるところを明かして、友達の主婦ブロガーとリンクしてたりしたらとても怖い気もします。

    しかし、安全ではないからといって触れないというのは解決策にならないと思いますので、できる限り安全、またはリスクの予測、アクセスコントロールをできる手段を考えていくべきなのかもしれません。

  3. 個人情報流出の危険がいっぱい?

    結局何が危険なのかというと、
    ・書いている本人がインターネットを通じて世界中に情報公開しているってことを理解していないこと
    ・アクセス制限をかけている場合でも、どこまで公開されているのかを理解していないこと
    ではないでしょうか

  4. mixiの危険性

    mixiに嫌悪感をかんじるのはおれだけではないはず。
    1.パブリックとプライベート
    2.ネットであなたが特定される
    3.自分の情報が勝手に公開される危険性
    4.犯罪の助長
    5.インターネットの意識度、責任の所在

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