クリスマスの特別バトン - suVeneのアレ

クリスマスの特別バトン

セックスより完全なもの – 恥を捨てろ、考えるなバトン
Ladder to the Moon – 恥を捨てろ、考えるなバトン

雪。白い雪。全てが同じように見える雪。舞い降りてただただ一面の銀世界と同化する雪。その一つ一つがかたちの違う結晶。君と織り成す日常や、君と交わす幾つもの言葉のように、似ているようで一つ一つ違う結晶。全てを記憶できなくても、今ある君とのこの世界は、銀世界よりも美しい。
儚げな光。闇という闇の中にある、とても儚げな光。君には太陽のように全てを育む力強さは無いけれど、僕の闇を照らすには十分な、とても十分過ぎる光だ。
いつもの散歩道でよく見かける花がある。僕は花には興味なんか無いのだけれど、君はその花が大好きだ。僕はどうでもいいのだけれど、君に花言葉を教わった。相変わらず散歩道で見かける花。今でも興味は無いのだけれど、君のおかげでほんの少しその花を見るようになったし、花の名前も覚えたよ。
束縛された君は、鳥が自由だといい、僕を自由だという。自由であるはずの僕は、鳥の孤独を想像し、自由でなければならない不自由さを想像する。自由である為には羽ばたき続けなければならない。群れからはぐれた鳥である僕は、飛び続けなければならない。だけど僕はそれを言わない。君の元で羽を休めたいが為に。
凍てついた風に吹かれても、逆風に吹かれても、横風に倒されそうになっても、君という追い風が僕を支えてくれる。
君がいない世界があるならば、僕にとっては全てが無に等しい。
君を照らしつづける光で居たかったのに、いつしか君が僕を照らす光だった事に気付いた。
澄んだ水である君。泥水である僕。君に触れるのはとても畏れ多くて、穢れてしまいそうなのに、躊躇無く交わってくる君。ほんの刹那でも、穢れた心を洗い流してくれる。
クールに、熱くならず、適度に、誤魔化して生きている僕の中の、恨みと、妬みと、憎しみに燃える炎。黒く燃える炎。見えない炎。その炎に僕自身が焼き尽かされてしまいそうな夜、君がそっと全てを抱きしめた。焼き爛れながら、痛みに耐えながら、全てを失いながら、そっと抱きしめてくれた。残ったものは、赤い肉と、黒い空気と、青い涙と、君と僕。だから僕は生きていこう。君と共に。
二人の時を刻もう。早すぎるまわりの時間は気にせずに、二人の時を刻もう。馬鹿にされても、笑われても、相手にされなくても、二人の時を刻もう。死が二人を分かつまで、二人の時を刻もう。
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