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[書評]ラーメン屋vs.マクドナルド

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映画「ラストサムライ」が史実を大きくデフォルメしていることは、日本史を学んだ日本人なら簡単に判ることだが、多くのアメリカン人は映画のイメージを現実の日本の歴史イメージに重ねてしまう。
ここまで考えて「どきっ」とした。わが身を振り返ると、果たして私達はアメリカのことをどれほど理解できているのだろうか?

ラーメン屋vs.マクドナルド P5

という疑問から始まる、ステロタイプな意見やデフォルメされたイメージではなく、ワシントンD.C.の銀行所長を4年つとめ、かつエコノミストである著者の立場から、日本とアメリカを比較し、経済・文化・政治・宗教などさまざまなものを読み解こうと試みるという、新書にしては大きなテーマである本。

目次

  1. マックに頼るアメリカ人 vs. ラーメンを究める日本人
  2. 希望を語る大統領 vs. 危機を語る総理大臣
  3. ディベートするアメリカ人 vs. ブログする日本人
  4. 「ビル・ゲイツ」 vs. 「小金持ち父さん」
  5. 一神教 vs. アニミズム
  6. 消費者の選別 vs. 公平な不平等

対比による分析

目次や序章から読み取れるように、アメリカと日本それぞれの代表的なイメージを対比して分析は進められていく。

そのイメージは、序章の意気込みとは裏腹に、やはりイメージ通りの日本とアメリカが出てくるのだが、心でっかちな日本人―集団主義文化とう幻想などの解釈と同じく、それは国民性の違いではなく、選択におけるパラメータや背景の違いとしての結果である、という流れになっている。

ただ、「ブログする日本人」などは、「日本は覚えるための文字が、ひらがな、カタカナ、常用漢字などを含めると大変多く、英語圏の人間に比べると、ディベートするためにかける時間が少なくなっている」などの解釈は、いまいち説得力としては弱いと感じる部分もあるが、印象としてはなるほどなぁ、などと感じる部分も多い。

格差は広がっていない

そんな中でも少し根拠が提示されているものがある。それは、「格差は広がっていない」という説明のためのジニ係数お持ちいた各国との比較データだ。そのデータによると、マスコミや政治家が煽るほど格差社会ではなく、むしろマシなほうだ、ということらしい。

ただ、細かい数字まで個人的に深くは追求せず、「そんなもんなのかな」程度で読み流したので興味がある人は自分自身で検証してほしい。

まとめ

総じて、著者自身の体験や印象的な視点から、抽象的な比較となってしまっている感じはしたのだが、生の意見やいろんな視点をつまみたいという人にはおすすめかもしれない。

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コメント

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